政治はどこへ -色あせた日本海-

 新潟の地方紙「新泻日報」の3月の集中連載として「政治はどこへ -色あせた日本海-」が同紙面において掲載された。内容はというと、田中角栄元首相によって様々な新潟の優位性があったにもかかわらずそれを生かしきれなかったことや、その実現のために奔走した「ポスト田中角栄」が存在いなかったために今の新潟の停滞がある・・・という内容を金子清元新潟県知事のインタビューをもとに作られたのが大まかな内容だ。

連載は全10回となっており、

1・2回 新幹線
3・4回 港湾
5・6回 日東道(日本海沿岸東北自動車道)
7回   シンクタンク
8回   テクノポリス
9回   空港
10回  金子元知事に聞く

という内容であった。

本来で言えばこれ全部にアンサーエントリーをしたいところである。ただ当ブログでは新幹線は羽越新幹線関連で投稿している。またその中で新潟港将来構想を取り上げ空港の利用についても関連として投稿した。また港湾についてはまだそこまで達していないものの、北前船を歴史的背景をバックベースとして北東アジア経済圏と北極海航路の重要性を問うところであった。したがってこれらは今回取り上げないことにする。機会があったらアンサーエントリーもしくは違う形で投稿してみたい。

ERINAを知ってますか?

今回取り上げたいのは第7回で取り上げたシンクタンクについて。私事もう閉鎖して久しいブログに以前(調べたら2010年だったらしい)シンクタンクについて記したことがある。内容をざっくり話すと新潟に世界に提言のできるシンクタンクが必要だということ。今回の記事を見てその時のことを思い出し、地元新潟はこのシンクタンクの意味を取り違えて経済ばかりを期待していたがっかり感と、環日本海という政治的に不安定により「不要論」が出たことに個人的に喪失感を覚えたのである。

公益財団法人環日本海経済研究所(通称ERINA・エリナ)

設立目的
北東アジア地域の経済に関する情報の収集及び提供、調査及び研究等をおこなうことにより、わが国と同地域との経済交流を促進し、北東アジア経済圏の形成と発展に寄与するとともに、国際社会に貢献する

出資者
新潟県、新潟市、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、群馬県、富山県、石川県、長野県、民間企業8社

事業内容
北東アジア地域の経済に関する調査研究
国際会議、セミナー、シンポジウム等の開催
北東アジア地域における国際研究交流
企業国際交流の促進
研究成果の出版及び情報の収集・提供 など

以上ERINA概要より引用

「新潟県を中心として国の内外に交流の輪を広げていくことが本県の課題であります」

当時の知事の金子清が言った言葉である。それをもとにシンクタンクの設立に奔走した。ただ当の本人は佐川献金疑惑で知事の座を追われたが、次の知事であった平山征夫が構想を引き継ぎ設立したシンクタンクだ。ただ前記したように政治に翻弄されまた新潟財界人から不要論もでて、結局2023年に新潟県立大学に編入される形で消滅が予定されている。総括した言葉で立教大学名誉教授の五十嵐暁郎氏は

「30年間で時代の要請は平和や文化を通じた対岸交流に変化した。経済成長を環日本海に求めたのは幻想だったのかもしれない」

と語った。

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