スーパーシンクタンクを目指していれば・・・

しかし個人的にはこれらの背景やコメントに少し違和感を感じる。

個人的の考えを抜け出せないという前提条件があるが、私のこのシンクタンクが行き詰まった原因は「環日本海経済研究所」→「(仮称)北東アジア世界研究所」にシフトチェンジ出来なかったことが、退(ひ)いてはインテリジェンスを呼び込めなかった街新潟に成り下がったと考えている。

アラブ世界研究所(パリ)
ブルッキングス研究所(ワシントンD.C.)

というシンクタンクをご存知だろうか? 世界に向けて提言のできるスーパーシンクタンクである。

アラブ世界研究所  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アラブ世界研究所(アラブせかいけんきゅうしょ)は、パリ5区にある研究所である。 1980年、アラブ諸国の18カ国とフランスはアラブ世界の情報を発信し、アラブ世界の文化、精神世界を研究するための研究機関を設置することで同意し、設置が決まった。また、フランス、ひいてはヨーロッパ世界とアラブ世界の協力と文化的交流を促進するという目的もある。1984年にはリビアも加わっている。

ブルッキングス研究所 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルッキングス研究所(ブルッキングスけんきゅうじょ)は、アメリカ合衆国のシンクタンク。1916年にロバート・S・ブルッキングスによって「政府活動研究所」として創立。その後経済研究所や公共政策大学院を統合して1927年に現在の体制となる。

 日本においては株式会社シンクタンクでも財団法人シンクタンクでもない、その両方が出資しているシンクタンクと言って貰えばきっとわかってもらえるかと思う。つまりこれらのシンクタンクが政治に対しても経済に対しても提言できる威力は半端ないところである。

 以前シンクタンクを記した時に「(自称:仮称)アジア太平洋農林水産戦略研究所」構想を記したことがあったが、今となっては中国とロシアの政治的不安とどう付き合うか、また北極海航路と北東アジア経済圏に対する展望を語るシンクタンクのほうが強力なシンクタンクを作れたのかもしれない。なぜならアラブ世界研究所は「アラブ圏とヨーロッパはどう付き合ったらいいか」を存在意義の1つとしていた背景があったからだ。

 ならば前出の五十嵐名誉教授の言葉は理由にならない。それを目指せばよかったからだ。

インテリがやってくる価値

 不要論にも違和感を感じる。ちなみにエリナ自身に非はないと思っている。大規模な国際会議を開いてきたからだ。それとは対照的に一般向けに出張授業をする部門もあった。北東アジアについて世間に知ってもらうためだ。私もその授業を受けたことがある。従って不要論を唱えた人たちの考えこそ不要だったのではないだろうか?今となってはウクライナ紛争と台湾危機という北東アジアにとってものすごいターニングポイントとなっており、提言を発信する力が求められていたのではないか?

 また良質な情報は人を呼び込む。人が来るということは観光を呼び込めるということ。観光とは日本人が考える旅行のことではない。定期的にやってきて定期的に滞在する。そのような形で滞在する姿こそ観光なのだ。

 ならば交通インフラの脆弱な新潟を一気に解決できる可能性があった。新幹線で言えば羽越新幹線の全線開通ができたのかもしれない。私が前記した東京〜札幌間の第2のルートを形成し、大阪〜新潟の新幹線路線が構築でき、新潟空港に新幹線を乗り入れて、かつ新潟空港が3000mの滑走路を作っていたのかもしれない。国内線で空いたところに国際線を誘致することができる。また東京と大阪とを新幹線によって新潟とつなげることができる。ちなみにインテリはファーストクラスに乗るしグリーン車にも乗る。東京行きならグランクラスはちと短い気がするが・・・。

 またインテリは地域活動にも興味を持つだろう。新潟を売る格好の商材である!そういや新潟ではないが鶴岡と連携することもできるだろう。なにせ鶴岡はユネスコ食文化創造都市だからだ。ここで新潟の食と対立を生むのではなくて共闘して新潟庄内ディスティネーションを恒常的に展開できれば両都市にとって都合が良い。

 ただいいことばかりではない。現在シンクタンク過多のような雰囲気を持っていて世界的にみる良質なシンクタンクの構築は夢物語のように思える。夢物語かもしれないがだからこそ地域・国・世界の理解が必要だったのではないだろうか?

 また日本に中国が入り込んでいるという噂も聞こえてくる。隣がスパイかもしれないからだ。政情不安が懸念材料であるが単体の国同士でなく北東アジア全体で情報を共有する機関が必要に思える。

 この話は現状夢物語かもしれないが・・・様々なものをどうやって新潟に呼び込めるか、また日本に呼び込めるかが課題の昨今、今回のエリナ閉鎖はそのひとつの駒を失った気がしてならない。

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