以前、小生が前記した・・・

 にて記した第2青函トンネルについて記してみたい。

私見のおさらい

 ここで今一度おさらいしておきたいのだが、「羽越新幹線2021 伍」含め私の羽越新幹線の考え・スタンスは

  • 新潟以北の羽越新幹線は基本的にいらない
  • (これはそこに記していないが)貨物幹線としての日本海縦貫線の機能を充実すべき
  • しかしどうしても作るなら現羽越本線部分の並行在来線は部分廃線も含め今後の利活用を検討すべき
  • 従って無理に鉄路を残す必要などない
  • 形態は新在直通の中速新幹線にするか北海道直通の羽越新幹線の2択
  • 前者のロールモデルは成田スカイアクセス線
  • 後者は東北北海道新幹線が目指している360km/hを走れるようにした設計とする
  • 後者を選んだ場合は一部のダイヤで庄内飛ばしをする事

 こんなところではあるが、後者案を実行するために必要なインフラが第2青函トンネルという事である。従って東北北海道新幹線の代替たる上越羽越北海道新幹線と第2青函トンネルはセットである。

 さて青函トンネルのデメリットとして・・・詳しくは各々が検索し調べていただきたいのだが、ざっくりいうと貨物との共用のためにスピードアップが出来ず、2030年代に実現する札幌延伸した時に東京〜札幌間を4時間30分以内で走破する事ができないという事である。 この時間なら一部の飛行機嫌いの乗客が存在し一定の乗客数を確保できたとしても、鉄路に拘らない格安に旅程を組む層の乗客は確実に飛行機に勝てないと見込まれるからだ。 もっとも10数分の短縮効果でしかない青函トンネル高速化ではあるが、たかが10分台されど10分台・・・この10数分の短縮が飛行機との勝負に影響するのである。

 ただもう1本トンネルを掘るとなると相当額の公共事業が関わってくる。そのため工事自体の反論も多く聞こえ、それを代替する意味で代替案として

  • トンネル内の防風壁を設置する案
  • すれ違い時のみ減速案
  • トレインオントレイン案
  • 貨物のみ連絡線輸送案

 などが出てくることになるのだが、どれも決定打にかける内容だ。トレインオントレインに到っては整備に1000億円かかる代物となりそうである。拠点施設の場所も必要となる。

従って小生は第2青函トンネルを推進したいと思っている。

第2青函トンネルの経緯

 第2青函トンネルの構想は、青函トンネル完成後に青函トンネル建設技術者OBによって「国土軸インフラ整備」と「トンネル技術の伝承」の目的としては策定された。
 諸元などは現在検索してもヒットしない・しづらいので下記の乗り物ニュースさんの記事を参考されたし。

青函トンネル建設OBが作った第2青函トンネル「ホンキの見積書」 その内容は:乗りものニュースさま

 その後に日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の「津軽海峡トンネル構想」・第二青函多用途トンネル構想研究会による「 第二青函多用途トンネル構想」を発表する。この研究会報告書によると第1期工事を貨物専用のトンネルとし、第2期工事にて道路のトンネルとする案が示された。詳しい内容は下記ファイルをダウンロードされたし。

JAPIC 津軽海峡トンネル構想(PDF)

第二青函多用途トンネル構想報告書 – 北海道建設業協会さま

さらに時を経過して日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)は2020年11月に公表した「津軽海峡トンネルプロジェクト」構想を立てることとなる。

現在の第2青函トンネル構想について

2020年11月に公表した「津軽海峡トンネルプロジェクト」ですが第2青函トンネルについては下記を参照されたし。

『 今 後 推 進 す べ き イ ン フ ラ プ ロ ジ ェ クト 』~コロナ禍を超えて、国土の発展のために~【構想事例I】(PDF)

「第2青函トンネル」構想の全詳細。1兆円の大プロジェクト:タビリスさま

 結論からすると今時点でこの構想自体個人的には無茶があると感じている。懸念する要因は次の2点。

  • 道路部分では自動運転の技術成長に委ねざるをえないこと
  • 鉄路部分ではトンネル全体を単線で運用しなきゃならないこと(すれ違い施設がないこと)

 しかしこれらを解決する、例えば道路自動運転は今後の技術成長に期待するとして、鉄路の方はすれ違い施設さえ確立すればまんざら悪い構想ではないと思っている。 ともかくなんとしても青函第2トンネルを造らねばならないと思っている。

 一応前編と記したので後編も書くつもりだけど・・・

 経過の話ではあるが私見も含めた概要はここ下記に記した。次に次に私論の話に移りたいのだがそれは後編に記すことにする。但し前後編の構成としたが後編を記すのは未定である・・・ちょっと準備が必要なので。
 従って私の頭の中身のネタバラシを少し記して今回のエントリーを終えたい。

 (2023.5.6 追記・訂正)
 これを記した当時は後編を書くつもりだったが、時間が経ってしまったため後編を書くことを断念する。しかし下記に記した箇条書きに相違ないため、箇条書きを以って私の意見・私案に換えさせていただく。

  • 構想自体は概ね賛成
  • できれば2本欲しい
  • 但し構造上は今回の話に同意する
  • つまり上下線で2本設置
  • それが出来なければ1本で良い
  • 津軽線の津軽浜名〜三厩間は線路移設が必要
  • 津軽線の津軽浜名〜三厩間にコンテナターミナルおよびコンテナ積み出し港があっても良い
  • (但し巨大な港湾は整備できないかもしれない)
    (なお北海道側の設置は難しいと思う)
  • 津軽線三厩駅は駅移転が必要
  • トレインオントレインの技術確立に向けて・・・は引き続き行うこと
  • トレインオントレインの技術が確立し運用できた暁には在来線との交換基地を奥津軽いまべつ駅にすること
  • (従って旧中小国信号場の施設を使わない〜撤去する)
  • 北海道側はこの時点ではさほど気にしていなかったが、福島町内で陸路に浮上して福島町内〜知内町内は大きなトンネルを掘らなきゃいけないと思う
  • 知内町内で貨物の交換施設が必要になるかと思う
  • 財源は?と聞かれそうだが、国債発行並びに通貨発行権のある日本政府と日銀の関係よりMMT理論を軽く使って、日本のGDPの2%(インフレターゲット)の考え方を使えば1兆円なんて軽く捻出できると思う。この理論は決して打ち出の小槌にはならんが、最低限の通貨の伸び(延び?)自体は今の日本には必要。国債自体を建設国債として発行しそのままでも良い気もするが、せっかくだからトンネル建設後に通行を有料化して国債を償還すれば良い。

 

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