大義名分とは?

 前回「無いわけでは無い羽越新幹線建設の大義名分」とは・・・で前回のエントリーを閉めたが、ここでその大義名分とは?を記したいと思う。

 ではその大義名分とは・・・

北海道羽越新幹線として速達型新幹線を走らせよ!

 です。これしかありません。

 つまり東京~札幌の「北海道東北新幹線はやぶさ」の代替機能として「北海道羽越新幹線版のはやぶさ」として数往復を走らせるのです。ここでは(仮称)はくちょうとしておきましょうか。はやぶさに白鳥・・・まさに鳥つながり。

庄内飛ばし

 ここで(仮称)はくちょうを走らせることが唯一無二の羽越新幹線を作る大義名分と記しました。しかしここからが少々話しづらいところが出てきます。実際建設されたと妄想してそれが具体的にどのようなダイヤになるかわかりませんが、1日最低2往復の(仮称)はくちょうを「庄内飛ばし」をするのです。つまり山形県を無停車・素通りをするのです。

は? (-.-#)

 と、このように山形県の方からこのようなバッシングを受けるのは承知の上です。しかしこれを話すのには理由があります。

 北海道新幹線が札幌延伸を果たした時は4時間ちょっとで走らなければなりません。そのために現在JR東日本では試験車両「ALFA-X」を試験走行させています。がそれでも飛行機と対抗するには停車駅の数の問題が出てくると思います。

 4時間台で走る速達型のはやぶさは東京を出て大宮に全列車停止しますが、大宮を出ると新青森までの停車駅は仙台と盛岡しかないと容易に想像できます。むしろ私の考え方は盛岡と新青森にすら停車しなくても良いと思っているくらいです。まぁ多分そういうダイヤの設定はしないと思いますが。

 ちなみに現在のはやぶさで新青森まで最短で2時間50分程度で走っているそうです。

 そうなると日本海回りの速達型新幹線も停車駅は2つになります。残念ながら新潟は全列車停車せざるをえません。なぜなら線路の構造上新潟を出ると現在の車両基地まで大きくカーブをしなきゃならないからです。となると残りは鶴岡か酒田か秋田になります。結論は庄内の経済圏と比較したら秋田と言うことになりますが、それでももし鶴岡か酒田かと言われるとどちらがいいのかとなるには庄内地方で県内で論争になりかねないと思います。ならばいっそのこと「庄内飛ばし」が現実となります。

 救済策として1日最低1~2往復程度は「庄内を飛ばさない」ダイヤの設定もしても良いとは思いますが、それでも「庄内飛ばし」をするダイヤも必要になってきます。

 私が散々言っている「整備新幹線建設とは日本としての国土のグランドデザインをどうしたいのかという思想の話なのである」ということの意味は、日本の国土を俯瞰し、各々の地域がそれぞれの役割を担いそれを結びつけることです。したがって(仮称)はくちょうの使命は東京・大宮と札幌とを日本海側経由ででつなぐことであり、4時間ちょいで結ぶダイヤが必要ということです。

 ただ勘違いして欲しくないのは「庄内を飛ばさない(仮称)はくちょうも必要」ということです。東京〜庄内や札幌〜庄内の需要を拾うことも「整備新幹線建設とは日本としての国土のグランドデザインをどうしたいのかという思想の話なのである」に必要なのです。そこは勘違いなきよう。

新潟人としたら心苦しい上越妙高の「かがやき」停車するしない問題

 「庄内飛ばし」のダイヤも必要と言ったが、実は新潟県には苦い思い出がありまして・・・

北陸新幹線速達型は新潟県内停車せず 知事、上越市長「非常に残念」

「かがやき」止まらず反響大!:新潟県に元気と夢を! こんどう彰治公式ブログ

富山県議会で嘲笑されていた泉田知事:財界にいがた

 とこれだけの記事が並べられていた。北陸新幹線のかがやきを新潟県内に停車しないことに対して当時の泉田知事は反論しました。

 要約すると1600億円の負担金を請求しておいて輝きを停車しないことはどういうことか!建設しねーぞ!とゴネて北陸新幹線金沢延伸開業が遅れた経緯があり、北陸3県からはその行動を冷ややかな目で見られていました。しかし交付金30年間で830億円を国から取ってからはトーンダウンしてなんとか開通に漕ぎ着けたが、その結果沿線自治体の皆さん頑張って下さいと。沿線自治体からも冷ややかな目で見られたと。

 そのことで新潟県には苦い思い出があります。

 従ってこんな案が出されたら普通の知事なら噛み付きます。当然です。もちろん地域なんて「整備新幹線建設とは日本としての国土のグランドデザインをどうしたいのかという思想の話なのである」という話なんて知ったこっちゃありません。新幹線開通による地域のメリットをみすみす逃したら知事としての県民からの評価が下がりますし、山形県も舐められたもんです。

 羽越新幹線はその扱いを受けたとしてもなお「庄内飛ばし」を受け入れられる器が山形県にあるかが論点となると思います。

公共事業がまたかかるという話

 またそれを実現する為の懸念材料があります。青函トンネル混雑問題です。

第2青函トンネル

 現在の青函トンネルに北海道新館ん線を通しているのだが、この青函トンネルの弱点が貨物列車を通さなきゃならないために新幹線単体で走り抜けることができないことにあります。つまり速度制限がかかっています。これがあるために東京〜札幌間の4時間ちょいに黄色信号が灯っております。「ALFA-X」の営業車両が完成したとしても難しいとされています。

 それに対していくつか対応策がありますが、そのひとつに第2青函トンネル構想です・・・がこの話はいずれしましょうかね。今回はこの辺りでやめてまた別の形でエントリーしたいと思います。

なるか貨物新幹線!

 またこの羽越新幹線には隠れたポテンシャルがあります。それは貨物新幹線を本気で導入できるチャンスです。

 新潟貨物ターミナルから秋田・青森・北海道に向けて貨物新幹線を走らせる・・・線路を有効活用できるオプションを本気で考えてもいいかと思います。むしろ羽越新幹線はこれができてこその羽越新幹線とも思っております。

  • 北海道新幹線直通速達型新幹線の導入(つまり羽越新幹線版はやぶさの導入)
  • 北海道新幹線直通貨物新幹線の開発・導入

 この辺りが羽越新幹線が整備新幹線化するための鍵になると私は考えてます・・・が、この話もまた別で記したいと思います。

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