自殺を止めたいあなたの切実に願うその声は届いていますか?:自殺私論(前編)

あなたの切実に願うその声は・・・

 「自殺」、つまり自ら命を落とすこと・・・ほど悲しいものはありません。自ら歩むべき人生を自らの手で終わりを告げなきゃならない作業なのですから。
 また死を急いだ本人だけじゃ無くて残された家族や親しい人たちの明るい未来をも奪ってしまうほど不幸な出来事・・・それが「自殺」です。

 あなたには生きる権利があるのに自らを絶つのは悲しいことです。そして先を急いだ人に関わる残された人たちの悲しみもを見たくない。
 その思いから各種自殺防止キャンペーンや、自殺防止のための各種活動が行われています。私も賛同できる活動と思っています。

 そんな死を急ぐ彼ら彼女らに向かって、

  •  自殺するな
  •  生きていりゃなんとかなる
  •  まず話を聞かせて

 我々はこのような言葉をかけます。自殺を必死に食い止めたくて。彼ら彼女らに死に急いで欲しくないから。

 この手の・・・つまり相手に呼びかける話として私が心に残っている言葉があります。それは日本テレビの「1分間の深イイ話」番組内にて、2004年(平成16年)5月27日にイラクで銃撃に遭われ命を落とした橋田信介さんのお言葉です。

 「戦争取材が終わって、朝カーテン開けてそれで、青い空とかね、白い雲とか緑の木々とかね、どうってことないちっちゃいタンポポとかね、もう風景と色がものすごく……新鮮に自分の気持ちの中に入ってきます。

 僕が伝えたいのは、つまり……ときどき楽しいことがあるから、是非ね……生き延びて欲しい。生きていて欲しい。」 

日本テレビ「1分間の深イイ話」2008.7.14放送分より

 現実問題生きていればいろんなことがあります。喜怒哀楽と言うと簡単ですが様々な感情や出来事に出会うことがあります。本当に人生やってられなくて自暴自棄になったりもします。
 だからと言って自ら命を落とすほど悲しいものはありません。私もこの言葉を聞いてまったくもってそう思います。橋田さんは命の危険にさらされて生きてきたのですから説得力があります。私もこの言葉に救われました。ただ悲しいことに不幸なことに、これを言った本人である橋田さんの体に銃弾が当たってしまいましたが・・・。

 このように様々な方法で呼びかけたり、セーフティーネットや悩み相談所を設置・仕掛けることで悲しい現実を迎えないための方策を考える動きが活発です。実にいいことだと思います。

 ただ残念ながらその活動を掻い潜るように自殺者は後を断ちません。ここ10年間を見ると徐々に減ってはきているものの劇的に低くなるという現象は起きていません。それはなぜかというと・・・

 あなたのその切実に願う声は、死に向かう彼ら彼女らに間違いなく届いていないからです。

 従って

 あなたのその切実に願う声は、死に向かう彼ら彼女らに間違いなく届いていないものと思ってください。

  つまり・・・

 言うだけ無駄です。

 先ほど「自ら命を落とすほど悲しいものはありません」とか「実にいい試みだ」と言っておきながら「言うだけ無駄」・・・って、さっき言った事と今言った事と違うじゃねーか!と突っ込みが来そうですが(笑)・・・次ページへ続く

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