点と点をつなげるだけの時代は終わった!(後編):”山貴、”的日本海国土軸のススメ(4)

 点と点をつなげるだけの時代は終わった!・・・の後編です。
 (前編はこちらより)

結局スーパーメガリージョンには敵わない

 ただ横断的な視点・ピア・トゥ・ピア的視点を取り入れても”スーパーメガリージョン”自体は国土形成計画上においては否定をしていない。

 スーパーメガリージョンとは従来の太平洋ベルト上にある首都圏(京浜京葉)・中部圏(中京東海)・関西圏(京阪神)を結ぶ三大都市圏のことで、それをつなぐ担保はリニア中央新幹線である。  該当地域のGDPは日本の約70%を占め、フランスやイギリス以上ドイツ未満の額に相当する。

 詳しくは下記ののPDFを参照されたし

スーパーメガリージョン構想について(スーパー・メガリージョン構想検討会:国土交通省)

 この単語を見たとき「国はこれから地方の時代と言っておきながら、結局三大都市圏の存在を否定していなのね」と思ってしまう。結局三大都市圏=スーパーメガリージョンには敵わないのか?
 いや、ちょっと待て。確かに今までの三大都市圏だけの都市の点と地方の点同士2点間の繋がりだと都市に吸い上げられるストロー現象が起きるが、点同士を線として繋げられれば少し見方が違ってくるのでは?という思いが私の中で生まれてきたのだ。

五畿七道の歴史と近代東京中央集権との融合

 そこで前出のスケッチ図。

 このスケッチ図には書いていないが大阪=名古屋=東京と線をむずんだものがスーパーメガリージョンで、東京と大阪を極とした場合北海道&東北は東京を、中四国九州は大阪とを極として捉える。 

 大阪を極とした五畿七道の歴史と東京中央集権のシステムを融合し集権化したことを2極分権化する。東京と大阪を結ぶのがスーパーメガリージョンだということと私は解釈している。

東京と大阪とつながることで日本海側同士との連携の可能性の種が

 ではそれはどういうことか? ひとつの見方を例にとってみる。

  • 東京を核とした場合、埼玉・宇都宮・郡山福島・仙台・盛岡と連携ができる(奥州街道的な)
  • 大阪を核とした場合、岡山・福山・広島・下関・門司小倉・福岡と連携することができる(山陽道的な)
  • そして東京や大阪の補完として名古屋を核にすることもできる

 という考え方ができるのではないか?

 またこのような考え方もできるかもしれない。

  • 東京を核とした場合、金沢・富山・上越・新潟・庄内・秋田と連携ができる
  • 大阪を核とした場合、新潟・上越・富山・金沢・福井・舞鶴・鳥取・米子・松江・出雲と連携することができる

 先ほどは東北や中四国の場合だが、今回は中部を中心とした場合である。それは東京と大阪をそれぞれの核と据えた場合、(新潟と)上越から金沢までのラインが重なる。それらを結びつけることで秋田から出雲までの日本海ネットワークへと可能性の種が生まれてくる。

では日本海側同士をつなごうよ

 日本海側とつながってきたこと、この場では紹介しなかったが出雲と糸魚川の奴奈川姫との関係・伊夜比古と伊夜比咩の関係・浄土真宗の伝播の関係・北国街道や北陸道・最も強い関係は北前船、史実が道しるべを作ってきた・・・そう、(出雲と糸魚川の奴奈川姫との関係以外は)この場で紹介してきた項目である。

 ただしそれらを一気につなぐ陸上交通システムがないのが日本海側のつながりの弱いところ(それこそ五畿七道の風土が少し残っている状態程度)だが、それでも道路なら若狭舞鶴道の開通により繋がりやすくなった。北陸新幹線が開通すれば直通できない大阪乗り換えが発生するとはいえ、今よりも連携がしやすくなるではないだろうか?(と言っても早くてAD2046の春となるのだが・・・。)

 また日本海側を結ぶのに陸上交通だと少し難しいところがあるが、海上交通だったらどうだろう?・・・北前船文化の再考&再興が出来るかもしれない。
 そうなったら太平洋側のバックアップとしての日本海や環日本海(北東アジア)時代に繋げられることができるかもしれない。このことについては次のエントリーに続きとして記す。

今いる場所を軸として考えることが必要(&この項のあとがき)

 今までの歴史・そして地図を眺めてみると改めて気づかされることのひとつとして今回記した。私が常に感じる事は、今その場に立つと見える位置はその見える風景だけど、数メートル移動すると見える風景は違ってくる。見える風景が違うと考えも変わってくる。
 移動した場所の風景も鑑みながら今見える風景を軸として考えることが必要なのではないか?ということを記した上で今回のエントリーを終えることにする。

 あとはそうですねー、なんだか今回は地図のエッセンスがありながらもどちらかというと現代社会っぽくなりましたかね?ちと反省かな(笑)まぁその辺りは許してください。

(続く)

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る